世界一わかりやすい肛門の教科書⑥ 肛門皮垂(スキンタグ)について
久しぶりの世界一わかりやすい肛門の教科書シリーズです。
今回は「肛門皮垂(こうもんひすい) = スキンタグ」についてお話ししたいと思います。
肛門皮垂とは、肛門のまわりの皮膚がたるんで伸び、ヒダ状になっている状態のことです。
皮膚が柔らかく、小さな突起やひらひらとしたヒダのように見えるため、「スキンタグ(skin tag)」とも呼ばれます。
『お産のあとから出っ張るようになりました』
『前から出ていて、排便後に戻すのですが、なかなか戻りません』
と、肛門科を受診される患者さんがいます。
どちらかというと(若い)女性に多い印象です。
肛門皮垂=スキンタグは良性のものです。
見た目が気になることがありますが、がんや重大な病気ではなく、基本的には良性の変化です。
原因
肛門皮垂は、次のような理由で起こることがあります:
原因 | 説明 |
---|---|
いぼ痔(外痔核) | 外痔核ができたり、自然に治ったあとに皮膚がたるんで残ることがあります。 |
裂肛(切れ痔) | 炎症や傷が治ったあと、皮膚が引きつって皮垂になることがあります。 |
出産や便秘 | 肛門に強い圧力がかかることで、皮膚が伸びることがあります。 |
体質や加齢 | 肌の弾力が落ちると皮膚が垂れやすくなります。 |
症状
通常は痛みや出血はありませんが、次のような悩みが出ることもあります:
-
排便後のふき取りにくさや不快感
-
かゆみやかぶれ(特に汗をかきやすい夏場)
-
見た目が気になる(特に女性に多い悩み)
肛門皮垂(スキンタグ)は痔??
「痔ですか?」と、聞かれることが多いので、
「おしりの外側にできた出っぱりという意味では「外痔核」と言ってもいいのですが、おしりの皮膚のたるみです。おしりの周りのシワです。」
と説明しています。
これは、『おしりの外側の皮膚のたるみ』なので
- おしりの中には入りません
- 出血をすることはありません
- 痛みが出ることはありません
- お薬をつけても消えません
そして、
気になるようであれば切除以外の方法はありません
治療は必要?
基本的には放置しても問題ありませんが、次の場合は治療を考えることがあります:
-
痛みやかゆみを繰り返す
-
衛生面で不快感がある
-
見た目が気になる
✂️ 治療法
治療法は、麻酔をして切除になります。
手術は比較的短時間で終わります。
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、日帰り手術で治療することが可能です。
ただし、切除をしてもおしりはもともとシワの多い所ですので、
『赤ちゃんのような、つるんとした、きれいなおしり』
には、ならないことが多いです。
おしりの周りの皮膚はもともとしわが多く、たるみやすいため、切除をしたキズが治る過程で、また小さなでっぱりを生じることがあるからです。
このことをお話をし、患者さんとよく相談をした上で切除をするかどうかを決めています。
自分で取ってもいいの?
絶対に自己処理はNGです!
出血や感染、傷跡のリスクがありますので、気になる場合は必ず肛門外科に相談しましょう。
最近、肛門内科を標榜する医療機関がありますが、肛門内科では治療は困難です。
治療経験豊富な大腸肛門病専門医のいる肛門外科クリニックで診察、治療を受けることをお勧めします。
まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
肛門皮垂とは? | 肛門まわりの皮膚がたるんでヒダ状になったもの |
原因 | 外痔核、裂肛、便秘、出産、体質など |
治療の必要性 | 症状がなければ放置でOK。気になる場合は切除も可能。 |
注意点 | 自分で切ったりしないこと。専門医の診察を。 |
気になる症状がある方は、恥ずかしがらずに専門のクリニックに相談することが大切です。
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、経験豊富な大腸肛門病専門医が診察から手術治療まで行います。
年間600件以上の手術実績がある、肛門専門施設です。
川崎駅からすぐであり、アクセスも良好です。
おしりの悩みがある場合は是非ご相談ください。
最後に
他院で、
「痔ではないから取る必要がない」
「大したことないからほっといていい」
「皮膚のたるみだから手術はしない」
などと言われ、当院を受診される患者様は多数いらっしゃいます。
おしりは自分では見えない部分ですので、どのような状態かしっかりとした説明が無いと不安になります。
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、しっかりと診察をさせていただき、どのような状態か説明し、お困りの症状と治療の必要性についてしっかりと説明させていただきます。
不安が少しでもある場合は、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談いただければと思います。