世界一わかりやすい肛門の教科書 ③人間以外に痔になる動物は?
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックです。
先日、人間は二足歩行のため、いぼ痔になるお話をしました。
4足歩行の動物でいぼ痔になる動物はいるのでしょうか?
人間のように重症化することは非常にまれですが、いることはいます。
それは、サル類(チンパンジーやゴリラ)です。
サルは人間と非常に近い身体構造を持っています。
特にヒトに近い霊長類は、痔や痔に似た症状が見られることがあります。
サルも四つ足で歩くだけでなく、座る姿勢を取ることが多いため、肛門周囲に負担がかかることがあるからと考えられています。
また、便秘や下痢が続くと肛門に炎症が起きやすくなるため、痔のような症状が見られることがあります。
動物園のサル山でよく観察してみてください。
私も少しおしりに膨らみがあるサルを見たことがあります。
重症化はあまりしないと言われていて、四つ足で歩くことで、おそらくすぐに改善しているのではないかと思います。
以上のことを踏まえると、人間も四つ足で歩くことで痔にはなりにくくなるのではないか、という考えが浮かびます。
実際にそうなんです。
痔の専門病院では、嵌頓痔核というかなり大きく腫れてしまった痔の方に、腫れが引くまで入院してベット上でゴロゴロして過ごしていただくことがあります。
ですので、痛みや出血があるときには家でゴロゴロして過ごすことも治療の一つになります。
家の中で移動するときは四つ足で移動するとなおいいかもしれません。本当に症状が強いときには試す価値があると思います。
ですが、実際に痛みや出血があるときにはしっかりと大腸肛門病専門医の診察を受けることが大切です。
その際には、肛門内科でなく肛門外科がよいと思います。
手術治療も選択肢の一つとして持っていることで、現在の状態に最も適切な治療を選択することが出来るからです。
また、肛門診療は診断が最も重要になります。しっかりと肛門の専門施設で勤務歴のある先生のいる医療機関を受診しましょう。
肛門診療について詳しくは → https://www.kawasaki-naishikyo.com/proctology/