大腸がんはポリープから始まる!?
こんにちは! 川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックです。
今回は、日本で罹患率1位の癌である、大腸がんについてのお話になります。院長である私の専門分野になります。
大腸ポリープがどのくらいの頻度で大腸がんに進行するのかは、多くの人が気になるところと思います。
いくつかの研究報告をもとに、大腸ポリープとそのがん化リスクについてわかりやすく説明したいと思います。
ポリープの種類とがん化リスク
大腸ポリープにはいくつかの種類がありますが、その中でも特に「腺腫性ポリープ」には注意が必要になります。
腺腫性ポリープは全ての大腸ポリープの約70%を占めていて、そのうち約5〜10%が10〜15年以内に大腸がんに進行する可能性があるという報告があります(Brenner, H., et al., 2011)。
特にポリープの大きさが大きくなると、そのリスクはさらに増加することがわかっています。
その他にも、「鋸歯状ポリープ」というポリープがあり、こちらもがん化のリスクがあることが分かっています。(Snover, D. C., et al., 2005)
ポリープのサイズが重要
ポリープの種類も大切ですが、ポリープのサイズもがん化リスクに大きく影響します。
たとえば、1cmを超える腺腫性ポリープのがん化リスクは10%を超えると報告されています。
また、2cm以上の大きなポリープになると、そのリスクは20%以上に跳ね上がることもあるので要注意です。(Lieberman, D. A., et al., 2008)。
ポリープの発生頻度とリスク要因
40歳以上の成人の約10〜15%に大腸ポリープが見つかるとされています。
また、50歳以上の成人は約20〜30%に大腸ポリープが見つかるという報告があり、年齢とともにそのリスクは増加します(Imperiale, T. F., et al., 2008)。
家族歴がある方は、腺腫性ポリープが見つかるリスクが約2倍になるとされています。
さらに、喫煙、肥満、過度の飲酒なども大腸ポリープのリスクを高める要因であることが分かっています。
そのため、生活習慣の改善も大腸がん予防には欠かせません。
大腸ポリープとそのがん化リスクについて理解したところで、それを踏まえた「大腸カメラ(内視鏡検査)」の重要性についても触れておきます。
大腸カメラは、大腸がん予防のために非常に有効な検査方法であり、早期発見と予防のためのゴールドスタンダードとされています。
なぜ大腸カメラが重要なのか?
大腸カメラは、大腸内部を直接観察することができる唯一の検査方法です。
ポリープや炎症、その他の異常を目で確認し、その場でポリープを取り除くことが可能です。
- 早期発見が可能
大腸ポリープは、早期に発見すれば多くの場合治療が可能です。ポリープががんに進行する前の段階で取り除けば、大腸がんを予防できることが知られています。研究によると、大腸カメラでポリープを早期に発見し除去することで、大腸がんの発症率を50%以上減少させることができるとされています(Winawer, S. J., et al., 1993)。そのため、症状がなくても定期的に大腸カメラ検査を受けることが大腸がん予防には重要です。
2. 当院ではポリープの即時切除が可能
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、ポリープが見つかった場合、その場で切除することが可能です(あったらポリペク)。これは患者様にとってメリットが多く、検査準備のための食事制限や下剤内服が一度で済みます。また入院も不要です。サイズが大きい場合や悪性が疑われる場合は連携医療機関へ速やかにご紹介させていただきます。
大腸カメラは、大腸がん予防における「切り札」と言っても過言ではありません。早期にポリープを発見し、その場で除去することができる唯一の検査方法であり、がん化のリスクを大幅に減少させることができます。特に40歳を超えたら、内視鏡検査を考慮して、自分の健康を守るための一歩を踏み出すことが重要です。がんのリスクは見過ごさず、適切なタイミングでの検査を検討しましょう!
(大腸カメラについての詳しい情報はこちら → https://www.kawasaki-naishikyo.com/colonoscopy/#a01)