口が臭い!!実はピロリ菌が関与しているかも!?
コロナが流行ってからマスクをする機会が増えたと思います。
マスクをしていると口臭が気になることありますよね。
虫歯があったり、歯周病があると口臭に影響することは分かっていますが、歯医者で診てもらっても異常はないと言われて困っているそこのあなたへ。
ピロリ菌が原因で口臭が出ることがある、ってご存じですか?
ピロリ菌(正式にはヘリコバクター・ピロリ菌)は、主に胃に住みつく菌で、胃炎や胃潰瘍などの原因になることで知られていますが、実は口臭にも影響を与えることがわかっています。
今回はピロリ菌と口臭の関係についてお話ししたいと思います。
ピロリ菌とは
ピロリ菌とは、正式には「ヘリコバクター・ピロリ菌」と呼ばれる細菌の一種です。
この菌の発見は、世紀の発見でした。そのため、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の発見とその病原性の解明により、オーストラリアの医師バリー・マーシャル氏と病理学者ロビン・ウォレン氏は、2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています!
この菌は、胃の中でも生き延びることができる珍しい特性を持っています。
多くの細菌は胃酸に弱く、生きられませんが、ピロリ菌はアンモニアを生成して胃酸から身を守ることができるため、胃の中でも生きながらえることが出来ます。
ピロリ菌が口臭を引き起こすメカニズム
さて、そのピロリ菌がどうして口臭と関係あるのか、現在考えられているメカニズムについて、論文報告からまとめてみました。
① 胃酸の逆流
ピロリ菌が胃を刺激することで、胃酸が増え、食道の方へ逆流しやすくなります。
この胃酸が喉や口まで逆流すると、酸っぱい臭いや不快な臭いを感じることがあるという報告があります(Katelaris et al., 1991)。
② アンモニアの発生
ピロリ菌は胃の中で「尿素」を分解してアンモニアを作り出します。
このアンモニアが胃の中にたまると、悪臭を発生させ、それが口に上がってきて口臭の原因になるという報告があります(Mégraud, 1995)。
③ 炎症の広がり
ピロリ菌が引き起こす胃炎や潰瘍が進むと、消化器官全体に負担がかかり、悪い腸内細菌が増えることで口臭に影響する可能性があると言われています(Sgouras et al., 2015)。
ピロリ菌による口臭への対策
「なんだか口臭が気になるけど、歯磨きやデンタルケアではあまり改善しない…」という場合、実はピロリ菌が関係しているかもしれません。
その場合は、ピロリ菌感染の可能性を考えてみることも大切です。
ピロリ菌の検査には、呼気検査や採血、生検、便の検査がありますが、呼気検査が最も正確な検査になります。
ピロリ菌検査を行う場合は、呼気検査が出来る施設を選ぶことが非常に重要になります。
また、ピロリ菌感染が確認された場合、除菌治療を受けることができます。
除菌治療は1週間の内服治療になります。
もし口臭が気になっていて、口腔ケアをしっかりしても改善しない場合は、消化器科の医師に相談し、ピロリ菌検査を受けることを検討してみてください。
また、ピロリ菌検査は自費検査でも可能ですが、保険で受けるためには、ピロリ菌検査前に胃カメラ検査が必要になります。
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、鎮静剤を用いて眠った状態で胃カメラ検査を受けることが可能です。
従来のオエっとする胃カメラではなく、患者様1人1人に合ったオーダーメイド麻酔で検査を受けることが可能です。
また、呼気検査機器を備えているため、正確な呼気検査をその場で施行出来、即日結果をお伝えすることが可能です。
即日結果が分かるため、来院回数を減らすことが出来るだけでなく、ピロリ菌陽性であった場合にすぐに治療を開始することが可能となります。
ピロリ菌について ⇒ https://www.kawasaki-naishikyo.com/pylori/
胃カメラについて ⇒ https://www.kawasaki-naishikyo.com/endoscopy/#a01