MEDICAL 下痢

下痢とは

痔

下痢とは、水のような便や形を保てないほど軟らかい便など、水分量の多い便が頻回に排出される状態です。腹痛や血便を伴うこともあります。お腹の冷えや暴飲暴食などが原因の一時的なものもありますが、消化器疾患の症状として出ている可能性もあります。
原因がわかっていて、安静にすると改善し、繰り返さない下痢はそれほど心配ありません。
しかし慢性的に下痢が続いている方は、感染性胃腸炎や潰瘍性大腸炎やクローン病大腸がんなどの重大な疾患が潜んでいることもありますので、消化器内科を受診して、原因を調べることをお勧めします。
また、下痢の回数が多い場合や嘔吐が伴う場合は、体内の水分が不足し脱水症状を起こす可能性もあります。子どもや高齢者は特に脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。十分な水分をとれていない場合は速やかに受診してください。

このような下痢でお悩みではありませんか

代表的な症状

  • 激しい腹痛をともない、排便後も治まらない
  • 継続的で治まらない
  • 血便をともなう
  • 高熱や嘔吐をともなう
  • 脱水症状をともなう

下痢は、日常的なお腹の症状であるため放置されることが多いですが、重篤な病気の症状のひとつであることも考えられます。
原因の分からない下痢が続いている方は、重篤化する前に専門医療機関を受診しましょう。

下痢の種類

下痢は、一時的に起こる急性下痢と、下痢を長期間(2週間以上)繰り返す慢性下痢に分けられ、そこからさらに2種類のタイプに分けられます。

急性下痢
浸透圧性下痢

過剰なアルコール摂取、脂質の多い食事などによって腸への負担が増え、腸での水分吸収機能が低下して便に含まれる水分量が増加して発症する下痢です。

分泌性下痢

食中毒や食あたり、食物アレルギー、薬の副作用などによって腸の粘膜が刺激され、分泌液が過剰になって発症する下痢です。

慢性下痢
蠕動運動性下痢

消化管の内容物を先に押し出す蠕動運動が亢進し、十分に水分を吸収できない状態で排便が起こって生じる下痢です。大腸がんの手術後などで大腸が通常より短い方も生じやすい下痢です。

滲出性下痢

腸の炎症により、血液成分や細胞内の液体が粘膜から腸管内に染み出したり、水分吸収機能が低下することで便の水分量が増え、下痢になります。潰瘍性大腸炎やクローン病などの下痢です。

下痢から考えられる消化器疾患

過敏性腸症候群(IBS

過敏性腸症候群は、ストレスや食生活などが原因で、腸の機能に異常がおきる疾患です。症状としては、腹痛、下痢、便秘、お腹の張り(膨満感)などが特徴です。

炎症性腸疾患(IBD

炎症性腸疾患は、消化管内で慢性的な炎症が起こる疾患の総称です。
代表的なものに潰瘍性大腸炎とクローン病の2つがあります。これらは正常な腸管内の細菌や食物に過剰に反応してしまい、腸の炎症を引き起こします。症状としては、下痢のほかに腹痛、発熱、体重減少などが挙げられます。

大腸ポリープ

大腸ポリープがある場合、症状のひとつとして、下痢が挙げられます。大腸ポリープは、そのままにしておくと将来的に大腸がんになってしまう可能性があります。
下痢のほか血便便秘などの症状をともなうこともあります。

ウイルスや細菌感染

急性の下痢の原因のひとつとして、ウイルスや細菌の感染が考えられます。
ウイルスによる下痢は、主にノロウイルスやロタウイルスなどが原因となります。ウイルス性の下痢は急性で突然発症し、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛などをともないます。

下痢の検査と診断

医師が必要と判断した場合には、下記の検査をおこない、より正確な診断をしていきます。

内視鏡検査

大腸カメラ検査

先端に小型カメラを付けた細長いスコープをお尻に挿入し、直腸から盲腸まで大腸の粘膜を観察できる検査です。粘膜の状態を詳細に観察し、ポリープ、炎症、腫瘍などの発見が可能です。
検査時に見つかったポリープはその場で切除でき、他にも組織採取をして病理検査を行うこともできるため、多くの疾患の正確な診断が可能です。

採血検査

炎症が起きているかを調べます。大腸炎の炎症の程度を把握することができます。

便培養

感染性下痢の原因同定が必要な場合に必要な検査になります。出血を伴う下痢症の場合に必要となります。

下痢症になった際の対処方法

食事

絶食や消化しやすいものを少しだけ食べることをお勧めします。ただし、下痢は脱水症状を起こしやすいので、水分はとるように注意しましょう。
消化の悪い高脂肪食や食物繊維は控えて、できるだけ軟らかく調理します。白粥や卵粥、うどん、食物繊維や脂肪分の少ない鍋料理、湯豆腐などをお勧めします。また、下痢が改善してもしばらくは消化のよいものをとり、食べ過ぎないようにしてください。
胃酸の分泌を亢進新させてしまう食品も避けることが重要です。唐辛子・カフェイン・アルコールなど刺激の強いもの、高脂肪食、柑橘類などは控えましょう。また、味の濃いものもとり過ぎないようにしてください。

水分と電解質の補給

下痢は脱水症状や電解質異常を起こす可能性がありますので、経口補水液、スポーツ飲料などをこまめに飲むように心掛けてください。
また水分をとっても嘔吐や下痢などで戻してしまい、十分に摂取できない場合はお早めにご相談ください。※牛乳は腸への刺激が強いため避けてください。

市販の下痢止め服用は危険なことも

感染性の下痢(食中毒や食あたりなど)の場合、増殖した病原体や病原体が出す毒素の体外に出すために下痢が起きます。そのため下痢止めを服用すると、病原体やその毒素が排出できずに重症化してしまうことがあります。下痢の際には自己判断での市販の下痢止め服用は危険です。消化器内科の診察を受けてください。

下痢でお悩みの方は当院の消化器専門外来へ

当院では、消化器専門医による消化器専門外来を行っております。
下痢でお悩みの方は、下痢の原因となる様々な病気の早期治療ためにも、放置をせずにぜひ一度当院にてご相談ください。

 

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