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お尻に痛みを感じた時、肛門科受診前にできること

こんにちは。

川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックです。

本日は、「世界一わかりやすい肛門の教科書 ④お尻に痛みを感じた時、肛門科受診前にできること」についてお話ししたいと思います。

肛門の痛みはある日突然やってきます。硬い便が出るなどの前触れがあることもありますが、いきなり痛みが生じることもあります。また、お尻の痛みは「恥ずかしい」と感じることもあり、つい放置してしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、お尻の痛みには様々な原因があり、早めに対処することで症状の悪化を防ぐことができます。今回は、肛門科受診前にまず自宅ですぐに始められるセルフケアや考えられる疾患、受診が必要な場合についてお話しします。

お尻の痛みを引き起こす代表的な疾患とセルフケア

痔核(いぼ痔)

内核痔

痔核は、肛門周辺の血管が膨らんでできるもので、排便時に痛みや違和感が生じることが多いです。いぼ状の腫れや出血が見られることが特徴です。軽度の場合、生活習慣の改善で症状が緩和することがあります。痔核の中でも特に外側に出来る血栓性外痔核が生じると、座ったときやおしりに力が加わるときに痛みが生じます。そして指でそのふくらみを触れることが可能です。

  • セルフケア

1. 座浴
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39度のお湯に510分程度、肛門を浸すことで血行が良くなり、痛みや腫れが軽減されます。これは即効性があり、非常に効果的です。毎日12回行うと効果的です。仕事などで日中座浴が難しい場合も、お尻を冷やさないようにすることが大切です。

2. 排便時の姿勢に気を付ける
無理にいきむと痔核が悪化しやすいため、できるだけリラックスして排便するよう心がけましょう。便秘を防ぐために食物繊維を多く摂取し、水分も十分にとることが大切です。マグネシウムなどの便を柔らかくする下剤を飲むのも非常に有効です。

3. 市販の軟膏を使用する

薬局で売っている痔の軟膏が効果的です。クリニックで処方されるものよりは効果は弱いですが、疼痛を緩和する効果があります。

裂肛(きれ痔)

切れ痔

裂肛は、便が硬くなって肛門の皮膚が裂けることで痛みが生じます。排便時に強い痛みを感じる場合や、出血がある場合は、裂肛の可能性があります。出血は便器が真っ赤になることもあります。

  • セルフケア

1.便を柔らかくする
便秘気味の方は、食物繊維の多い野菜や果物、全粒穀物を摂取し、便を柔らかく保つことで肛門に負担がかからないようにしましょう。また、水分もこまめに摂取することが重要です。マグネシウムなどの便を柔らかくする下剤を飲むのも非常に有効です。治りにくい場合は食事量を減らして便の量を減らすことも有効です。

2.温水での洗浄
裂肛部分を温水でやさしく洗い流すことで、感染予防にもつながります。しみる為、あまり無理はしないようにしましょう。温めることで痛みが和らぐ場合があります。先程の痔核と同様、座浴は痛みの軽減に有効です。

3.市販の軟膏を使用する
薬局で売っている痔の軟膏が効果的です。クリニックで処方されるものよりは効果は弱いですが、疼痛を緩和する効果があります。寝る前は必ず塗るようにしましょう。

 

肛門周囲膿瘍(のうよう)・痔瘻(じろう)

痔ろう

肛門の周りに膿がたまる状態で、激しい痛みや腫れが特徴です。膿が自発的に排出されることもありますが、適切な治療が必要です。放置すると痔瘻と呼ばれるトンネル状の病変ができるため、早めの受診が推奨されます。

  • セルフケア

1.座浴で血行を促進
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39度のお湯に肛門を10分程度浸けると、患部の血行が促進され、膿が排出されやすくなることがあります。また、毛穴などからの感染のこともあるため、清潔に保つことで炎症が改善することもあります。毎日12回行うとよいでしょう。

2.清潔に保つ
排便後には患部を優しく洗浄し、細菌の繁殖を防ぐようにしましょう。排膿を認める場合は、膿により皮膚炎も生じる可能性があるため、特に清潔に保ちましょう。ただし、強くこすらないように注意が必要です。

3.無理な圧迫を避ける
痛みが強い場合、硬い椅子などに長時間座ることは避け、患部を圧迫しないようにしましょう。円座などクッションを使用して圧を分散させるのも有効です。

注意すべきその他の疾患の可能性

お尻の痛みや違和感は、痔だけが原因とは限りません。以下のような疾患が潜んでいる可能性もあります。

  • 直腸がんや肛門がん
    がんによる痛みやしこり、出血が痔と似た症状を引き起こすことがあります。温めると一時的に痛みが緩和されることがありますが、基本的に痛みは持続します。がんの可能性も考慮して専門医の診察や検査を受ける必要があります。

  • 感染症
    肛門周辺の細菌感染やウイルス感染も、痛みや腫れ、膿の排出を引き起こすことがあります。痔瘻から生じる肛門周囲膿瘍だけでなく、皮膚の感染症である膿皮症というものもあります。炎症がひどくなると発熱を来します。特に炎症や腫れが引かない場合や、膿が出てくる場合は感染のリスクがあるため、医師の診察が必要です。

  • 皮膚の疾患
    肛門周りの皮膚炎やアレルギー反応、湿疹なども、痛みや痒み、腫れを引き起こします。これらは専門的な治療が必要な場合が多いので、早めの受診が望ましいです。

受診時に行われる検査とその重要性

お尻の痛みや異常を感じた場合は、適切な診断を受けることが大切です。受診時には以下のような検査が行われることがあります。

  • 肛門診察
    肛門の周囲や内部の状態を確認するための診察です。これにより、炎症や腫れ、裂傷の有無を確認できます。場合によっては痔や炎症以外の疾患(直腸がんや肛門がん)が見つかることもあります。

肛門診察について詳しくは → 「世界一わかりやすい肛門の教科書 ①肛門診察編」

  • 大腸カメラ(内視鏡検査)
    症状が継続したり、出血が見られる場合、大腸内の異常を確認するために内視鏡検査を行う必要があります。直腸や肛門周囲の腫瘍やポリープの有無を確認できるため、特にがんのリスクが懸念される方には重要な検査です。血便や肛門の痛みが1週間以上持続する場合は大腸カメラ検査を行うことを勧めます。

大腸カメラについて詳しくは → 「大腸カメラ検査について」

受診が必要なケース

以下のような症状がある場合は、自己判断せずに早めに肛門科を受診することをお勧めします。

  • 痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合
  • 出血が頻繁に起こる場合、出血が2週間以上続く場合
  • 肛門周囲にしこりや腫れがある場合
  • 発熱や倦怠感を伴う場合

まとめ

お尻の痛みは、さまざまな疾患の兆候である可能性があるため、軽視せずに早めの対処が大切です。セルフケアで痛みが緩和しない場合や、症状が重い場合は医療機関への受診をお勧めします。当院では、患者さまが安心して治療を受けられるよう、丁寧な診療を心掛けていますので、何か不安があればお気軽にご相談ください。

 

川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、熟練の専門医が丁寧に診察いたします。

各種専門的な機器も揃えておりますので、少しでも不安がある方はしっかりと診察を受けて、不安をゼロに近づけていただければと思います。

当院の肛門科について ⇒ https://www.kawasaki-naishikyo.com/proctology/

肛門の痛みに対してはこちらも参照ください ⇒ https://www.kawasaki-naishikyo.com/butt_pain/

川崎駅から徒歩4分と非常にアクセスのよい場所にあります。

消化器内科診療と一緒の診療になりますので、肛門科の受診であることが分かりにくくなっております。

肛門は自身で直接見えない部分であり、症状があると不安も大きくなります。しっかりと診察を受けて、早期治療を行ったり、問題ないことを確認することで安心して日常生活を送れるサポートが出来ればと考えております。

 

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